画家 ヒュスニュ・コルダシュ HÜSNÜ KOLDAŞ
画家エイリュル・キョクシュメールがシリーズで紹介する現代トルコ人画家の絵画。
HÜSNÜ KOLDAŞヒュスニュ・コルダシュ
1949年イスタンブール生まれ。
ミーマルシナン芸術大学で絵画を学び、現在は同大
学のフレスコ画教室で教鞭をとっている。
彼の作品で特徴的なのはアナトリア古代文明の痕跡、つまり寺院や墓所や当時の人々の生活空間などである。この古代の空間上に描かれる現代を表すディーテール(たとえば、サッカーボール、ルービックキューブ、ガスランプ)を通じて「時間の無限性」を表現する。
時が継続して恒久的であるのに対して、人間の残した痕跡のはかなさを強調する。
古代遺跡とともに「夜」も表現手段として大きな役割を果たし、絵画のテーマの背景となっている。
すべてを闇に隠す夜と、太古の昔から地球を眺めけている星空が、彼の時の概念を的確に表現している。
夏を過ごすバファ湖畔では夜になると長い散歩をし、誰もいない遺跡の中でスケッチを描き、この旅人となった自分の姿を頻繁に絵のモチーフにしている。自画像を見ると旅人の心理や観察眼がよく見て取れる。
スケッチブックと鉛筆を手に夜の闇に足を踏み入れ、古代文明の遺跡を歩き回り、星空の下で時間概念を超越した状態で絵画を生み出す。そして、日が昇るとき現実の世界に戻ってくるの