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オルハン・パムクを読むキーポイント

by 岩永星路 & 岩永和子

オルハン・パムクの小説にはいくつかの共通する特徴があると考え、まとめてみたものをご紹介します。ご意見ご感想をお待ちします。

1.東西という基軸

2.こだわりとあきらめ

3.古いイスタンブールと古さびたイスタンブール

4.変わるもの変わらないもの

5.自分が決めると信じている人生と予め決まった人生

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 1.東西という基軸 (Doğu Batı)

「東」とは

西洋教育を受けながら、歴史的に「西」と対立してきた地に生きる者の目に映る「東」。

著者だけでなく、この地を舞台とする小説の主人公たちもまた、「西」を意識している。西洋の卓越性を認め、惨めな気持ちに苛まされる。西洋で生きた経験はなく、「西」への好奇心が最も重要な関わりである。

「西」とは

「東」の人間が見る、見ることができる「西」。新しさと進歩を意味し、「東」とは異なり「西」の人間は何かに異議を唱え、それを変えることができる。「東」の人間は異議を唱えるだけで新しいことを成し遂げたと勘違いし、自分が進歩的人間であると思う。例えば、『ジェヴデト氏と息子たち』に登場する兵士は商人の兄を軽蔑するが、その実、兄の援助なしには生きられない。

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