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ハジュ・アブドゥッラー レストラン
トルコ伝統料理レストラン ハジュ・アブドゥッラー Hacı Abdullah 今日イスティクラール通りから一歩入ったところにあるトルコ料理店ハジュ・アブドゥッラーの創業は1888年。カラキョイに構えた店は、スルタンアブドゥルハミッド2世の賓客の接待場でもありました。営業許可はスルタン自らが手渡したそうです。その後、店はタクシムに移ります。同じ地区で小さな引っ越しも数回し、店名が変わった時期もありましたが、料理には創業当時の味が確実に受け継がれています。それは、この店がアヒー(Ahi)という伝統的な職人組織の経営形態を採用し、店の所有権がシェフから弟子へと受け渡されてきたからです。こうして、経営者が変わると料理の味も変わってしまうことを防いでいるのです。店に入ると、色とりどりの果物や野菜の瓶詰めが目に飛び込んできます。タクシムに行ったら、足を運んでみては。言葉がわからなくても、料理を見ながら選べるのも嬉しいですね。 ハジュ・アブドゥッラーのカラフルな漬物の展示は一種のアートとも言える。 落ち着いた雰囲気が魅力的
クリミア・タタール語雑誌 Bahçesarayバフチェライ
BAHÇESARAY クリミア・タタール語雑誌 Crimean Tatar magazine Bahçesaray 紹介するのは2016年4月日付の75号 表紙は2016年度ユーロビジョンソングコンテストでクルミア・タタール語の歌でウクライナを代表して見事に優勝したジャマラさん。民族服装のこの若い女性は今やクリミア・タタール人の間で英雄的な存在だ。 バフチェサライとはクリミア班国の首都であった街で、クリミア・タタールの王様(ハーン)たちが何百年も使用していた宮殿や学校など色々な歴史的な建物が残っている。ソ連時代にクリミアの地名は全てロシア語に変えられましたが、ロシア文学の嚆矢ともいえる詩人アレクサンドル・プーシキンが「バフチェサライの泉」という詩を残したお蔭で、この町だけがクリミア・タタール語の名前のまま残っている。 紹介する雑誌はイスタンブール在住のクリミア・タタール人協会の会報で、消滅危機言語であるクリミア・タタール語で刊行されている唯一の雑誌である。それでも、ほとんどのページがトルコ語で、クリミア・タタール語は10ページのチェレビ氏の詩の部分と12ページの昔話だけになっている。トルコ語が属するオグズ語群とキプチャク語群の中間の可愛い言葉だ。 広告主のウルケルはゴディバを買収したトルコの大企業で、創業者はクリミア・タタール人であった。 その故、クリミア・タタール人コミュニティの大きなスポンサーになっている。 Tags: Crimean Tatar magazine Bahcesaray Ukraina
「トルコの街角から」バラットで過ごす猫とのひととき 星野安杏
こんにちは。1月13日から21日までお休みをもらってイスタンブルに里帰り(?)していました。1年半トルコに行かなかったせいか、見るものすべてが懐かしく、また目新しくも見えてき不思議。以前より観光客も増えたのか、活気のあるイスタンブルに嬉しい気持ちになりました。 今回は、イスタンブルのバラットというところにあるカフェを紹介したいと思います。バラットという名前、聞いたことある方はいらっしゃるでしょうか。 歴史に関心がある方は、コンスタンティノープル総主教座などでご存知かもしれません。最近では、ウクライナ正教会の独立に関するニュースを目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 バラットには、観光であれば必ず訪れるであろうエジプシャンバザールがあるエミノニュからバスに乗って行くことができます。古い建物が残る下町っぽい雰囲気がが独特で、写真スポットやカフェスポットとして注目されてきています。 今回ご紹介するカフェは「ナフタリンカフェ」です。バス停からおりて、コンスタンティノープル総主教座へ向かう道を行く途中、右手にあります。このカフェ、猫が自由に出入りしています。初めてお邪魔したのは4年前の留学中。写真のように寝ている猫のリラックス度にカルチャーショックを受けました。 今回も中にはいると、暖房の近くの温かいテーブルと日当たり良好な広めの机に座っている猫が2匹出迎えてくれました。私は日当たりのい い窓際の席に座りました。思わず「ちょっとお邪魔しますね。」と声をかけてしまうほど、堂々と 座っているこの子、名前はクヌシュです。 人間に慣れているようで、こちらには「また人間が来た」と言わんばかりの視線を投げて、外を見ています。通りを歩く人を眺めるのは好きなのでしょうか。 のんびりした時間を過ごして、さぁと外に出るとそこにはまた猫さん。中に入りたくて、外の椅子に座ってお客さんが出てくるのを待っていたようです。 そして向かいの床屋さんを覗いてみると、そこにも小さな猫が!お行儀よく座っているように見えますが、入ろうとしてドアに飛びついた肉球のあとが沢山残っていました… トルコではよく、引っ越す時はそこの動物たちをみるようにと言います。動物たちが逃げなければそこに暮らすご近所さんたちもいい人だからだそうです。 リラックスした猫たちとそれを見守る人々に心も体も温まりました。イスタンブルでは、ナフタリンカフェのように猫や犬がのびのびと過ごしているカフェをよく見かけます。動物を飼っていなくても、勝手に猫が外の席で寝ていたり、そして人もそれをほっておいたり。 町歩きが楽しいイスタンブル。足が疲れたら、猫と一緒に一休みはいかがでしょうか。
『昔々、アナトリアで』 Bir Zamanlar Anadolu’da
『昔々、アナトリアで』 Bir Zamanlar Anadolu’da ヌーリ・ビルゲ・ジェイラン監督が2011年に発表した本作は、製作者の一人の経験した、アナトリア高原で死体を探す男たちのエピソードに基づいている。 監督について <あらすじ> ある夜、アナトリアの町ケスキンの郊外を、三台の車で男達-警察官たち、医者、検事、墓堀人たち、憲兵たち、そして殺人容疑のかかった二人兄弟-が走っている―死体を探して。 容疑者の一人、ケナンは、一行を噴水から噴水へと促す。犯行時、彼は酔っていて、彼と、彼の兄弟(精神障害を患う)がどこに死体を遺棄したか思い出せない。暗さと、どこまでも続く同じ地形…探し物を見つけるのは容易ではなさそうだ。 男達は夜な夜な様々な話をする。ヨーグルトやラムチョップについて、家族、妻、元妻、死、自殺、ヒエラルキー、官僚主義、道徳、それから仕事についても。哲学も話題となる。その中でも中心をなし、本作の中で何回も出てくるのは「子どもは、親の過ちから逃れられない。子供がその代償を払う」というもの… <作品詳細> 『Bir Zamanlar Anadolu’da』 2011公開 監督:ヌーリ・ビルゲ・ジェイラン 出演:ムハンメト・ウズネル、タネル・ビルセル、ユルマズ・エルドアン 2010年、トルコ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、157分 アマゾンでご購入できます 関連記事 ・映画 『雪の轍』 Kis Uykusu ・映画 『希望』 Umut
イスタンブール、オルハン・パムック
イスタンブール―思い出とこの町 オルハン・パムク ノーベル文学賞受賞者のオルハン・パムック氏にとってイスタンブールは特別な存在である。生まれも育ちもイスタンブールで、今も現役の「イスタンブール人」だ。観光で2~3日だけ訪れた人にさえ強い印象を残すこの町、裕福な家庭で育ったパムックが語ると一層面白く感じる。 ノーベル受賞前から世界中で有名になったパムックですが、意外とトルコ人の間で絶賛を受けているわけではない。「彼のトルコ語は読みづらい。英訳の方が分かる。」などのクレームまで聞こえる。和訳が出版され、在日トルコ人も喜んでいるところであろう。 イスタンブールを訪れる方は、先にこの本を読んだ方が楽しい旅ができそう。 トルコ語のオリジナルはカバーにオルハン・パムクの子供時代の写真を載せている。 ご購入はアマゾンジャパンから