オト トルコの文学、風刺雑誌

オト トルコの文学、風刺雑誌

オト トルコの文学、風刺雑誌 タイトルはトルコ語で「草」という意味。珍しいのは、風刺漫画と文学(随筆)が一つになっているところ。2013年創刊。 月刊誌 全64ページ 値段 6リラ(約240円)2015年10月現在 紹介するのは2015年10月(第32)号 表紙 3ページ(右) ニルギュン・マルマラ(1958-1987、写真)トルコの女流詩人による詩   4ページ(左) デュジャーネ・ジュンディオール(1962-)トルコ人作家、思想家の随筆 オレンジ色の円の中「私たちを人間にしているのは悲しみである。なぜなら人は悲しむとき、もっとも秘められた側面をみせるからだ。その側面とは、人間的側面である」 5ページ(右) 右側は元トルコ代表サッカー選手、元監督のメティン・テキン(右)が、同じく元代表選手で現監督のフェイヤズ・ウチャル(左)との友情を語るエッセイ。  6,7ページ 「トルコ人は賢いのだろうか?」 トルコ人詩人、小説家であるムラト・メンテシュによるエッセイ。 黒円囲みの文字(左)「権力者は(祖国のために巡視した)死人を好む。どんなに賢くとも、彼ら(死人)は何も問いただしては来ないからだ」 中央写真。男性2人の会話 左:考えている・・・ 右:何を考えているんだい? 左:何も。ただ考えている。 8,9ページ トルコの女流作家、ネルミン・ユルドゥルムによる随筆。 見出し「鳥たちよ、ママに温かい国をたくさん持ってきて頂戴!」 10,11ページ トルコの俳優、音楽家、映画監督であるアリ・アタイによる文章。   12ページ(左) 左側の2枚の絵画 上、テーマは「わが祖国」 下、テーマは「脳裏に孤独がよぎる」 右側の文章はマヒル・ウンサル・エリシュというトルコの作家、翻訳家のもの。   14ページ(左) 「35歳は(人生という)道の真ん中」 35才で音楽家(写真左)、サッカー選手(写真右)、俳優(写真下)になった人々の経験を綴ったページ。 15ページ(右) 見出し「50歳からアイシェ(トルコ人女性名)に手紙を」   16ページ(左) 見出し「私の精神状態は、あなた次第です」 17ページ イスタンブール、ビエンナーレの広告   18,19ページ 「秋」 「戦争はこの国の人々にとっていつの時代にも遠いものにはならなかったが、爆撃の音が聞こえなかったせいだろうか、彼らは知らないふりをするのがとても上手だった」 20ページ(左) 見出し「詩人はパンを食べるのに、パン職人は詩を読まない」 21ページ(右)一コマ漫画「ディップノート(声に出せない本音)」 1段目左 女「鶏肉好きでしょ?」(一番料理が簡単だし肉だし…最初の食事でリスク取りたくなかったの) 3段目左 女「あぁー!」「なんか熱くないこの部屋?」(あっち行ってよ、狭いじゃない!)    右 男「ハニー、ママたちも近くにいるんだって。寄っていかないか?」…

ハジャマット トルコの宗教的風刺かわら版
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ハジャマット トルコの宗教的風刺かわら版

ハジャマット トルコの宗教的風刺かわら版   他の風刺かわら版と決定的に違うのは、その宗教色の強さだ。登場する女性はみなベールをかぶり長袖。露出度が高いので知られる大多数の風刺漫画とは好対照をなす。また、アタテュルク主義に反対する表現も多く含まれている。   週刊紙 全16ページ 値段 3.5リラ(約140円)2015年10月現在 紹介するのは2015年10月2日版   表紙 店員「ご説明している通り、クルディスタン労働者等(PKK)と国民民主主義党(HDP)のアジェンダは異なります。この表紙がPKKのアジェンダで、もう一つの花柄のがHDPのです」 客「そう、じゃあちょっと見せてよ」 店員「どうぞ、どうぞ、私が持っているので見てください。特別なんでね、(触らないでください)」   5ページ(右) 2段目の女性は三つ編みお下げに長袖、長いスカート。3段目女性教師は頭にスカーフをまとっている。他のかわら版との女性の描き方の違いがうかがえる。 ちなみに下段中央は注射を怖がって「叫ぶ」ムンクに看護師が「シーッ!!!静かに!」と怒っている場面。  8ページ(左) アタテュルクが教科書に出すぎているという批判の文章(左側の黒い部分)  15ページ(右) 「イスラム原理主義者の日記」 普通では考えられないタイトルだろう。日記を見る限り、宗教的な人物ではあるが、世間一般の抱いているイメージとは異なり、雑誌に投稿した文書が掲載され悦に入ったり、作家に会いにいったりと文化人としての毎日を送っている様子を綴っている。 関連記事 ・ペングエン トルコの風刺かわら版 ・バヤンヤヌ トルコの風刺かわら版 tags hacamat dergi

ウイクスズ トルコの風刺かわら版

ウイクスズ トルコの風刺かわら版

ウイクスズ トルコの風刺かわら版 uykusuz 2007年に創刊。トルコと北キプロス共和国で発行され、トルコで最も売上高の大きい風刺新聞である。エンブレムはパジャマズボンにタンクトップの男性。 週刊紙       uykusuz 全16ページ 値段 トルコでは3.5リラ(約140円)、キプロスでは4リラ(約160円)2015年10月現在 紹介するのは2015年10月1日版 表紙 石像たちの会話「今度は俺らの番か。ギブスだらけにされちまう」「兄さん、ストレスためすぎると余計に日々入るから気を付けなよ「しっ!静かにしなよ、ほら、人間が来るよ」 この会話の拝啓には、トルコで多くの遺跡が修復により改悪されているという大ニュースがあった。(サンデーズ・ザマン紙の紹介ページ参照)。この石像はトルコの遺跡の中でも有名なネムルト山のもので、神々の像だといわれている。神さえも恐れる修復工事とは、いったいどれほど恐ろしいのだろうか… 11ページ 左上「兄さんそれどーしたんだよ?」「いやー暑くてブーツなんて履いてられねぇからよ!」 左下 老人たちの会話「どこで定年なさったんですか?」「広告会社のクリエイティブ・ディレクターでした」「それは素晴らしい。で、あなたの方は?」「56年間ソフトウエア会社で働いて、モバイルアプリの開発担当者でした」 隣の机の若者「もうどこにも普通のじいちゃんがいなくなっちまったなぁ…」 12ページ 漫画だけかと思えば、アタテュルクやチェ・ゲバラの写真の載ったエッセーもある。   15ページ(右) 右下 恐竜(落下する隕石を見ながら)「いつかきっと僕たちをテーマにドキュメンタリーを撮ってくれるよね!グスン泣」   関連記事 ・ハジャマット トルコの宗教的風刺かわら版