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『改宗者クルチ・アリ教会からモスクへ』
『改宗者クルチ・アリ教会からモスクへ』 Muhtedi Kiliseden Camiye 藤原書房 2010年 オスマン・ネジュミ・ギュルメン(著) 和久井路子(翻訳) 著者についてはこちら <あらすじ(裏表紙より)> 「中東から北アフリカ、ヨーロッパに渡る広大な地域を勢力下に収めたオスマン帝国と、擡頭しつつあるキリスト教諸国との間で、激しい勢力争いが展開された十六世紀地中海世界。イスラム王朝を敷きつつも多様な民族と宗教をその懐に抱いていたオスマン帝国では政治、軍事などの各領域においてさまざまな出自の人々が活躍の場を獲得していた。クルチ・アリもまた、その一人である。キリスト教からイスラムに改宗し、海賊として頭角を現したクルチ・アリは、その勇敢さと智恵によって勇名を馳せ、その力を恐れたキリスト教諸国からの度重なる懐柔をも斥けてついにオスマン帝国海軍の最高位である提督に登り詰める。 本書は、クルチ・アリという伝説的人物の物語であるとともに、彼を取り巻く、海という自由を生きた男たちの群像劇でもあり、その背景には、オスマン帝国という特異な存在の勢力の源泉となっていた宗教的多様性のダイナミズムが、博覧強記の著者の筆力によって、余すところなく描き出されている。」 購入はアマゾンから 関連記事 ・最後の授業 ・トルコ狂乱 オスマン帝国崩壊とアタテュルクの戦争
オト トルコの文学、風刺雑誌
オト トルコの文学、風刺雑誌 タイトルはトルコ語で「草」という意味。珍しいのは、風刺漫画と文学(随筆)が一つになっているところ。2013年創刊。 月刊誌 全64ページ 値段 6リラ(約240円)2015年10月現在 紹介するのは2015年10月(第32)号 表紙 3ページ(右) ニルギュン・マルマラ(1958-1987、写真)トルコの女流詩人による詩 4ページ(左) デュジャーネ・ジュンディオール(1962-)トルコ人作家、思想家の随筆 オレンジ色の円の中「私たちを人間にしているのは悲しみである。なぜなら人は悲しむとき、もっとも秘められた側面をみせるからだ。その側面とは、人間的側面である」 5ページ(右) 右側は元トルコ代表サッカー選手、元監督のメティン・テキン(右)が、同じく元代表選手で現監督のフェイヤズ・ウチャル(左)との友情を語るエッセイ。 6,7ページ 「トルコ人は賢いのだろうか?」 トルコ人詩人、小説家であるムラト・メンテシュによるエッセイ。 黒円囲みの文字(左)「権力者は(祖国のために巡視した)死人を好む。どんなに賢くとも、彼ら(死人)は何も問いただしては来ないからだ」 中央写真。男性2人の会話 左:考えている・・・ 右:何を考えているんだい? 左:何も。ただ考えている。 8,9ページ トルコの女流作家、ネルミン・ユルドゥルムによる随筆。 見出し「鳥たちよ、ママに温かい国をたくさん持ってきて頂戴!」 10,11ページ トルコの俳優、音楽家、映画監督であるアリ・アタイによる文章。 12ページ(左) 左側の2枚の絵画 上、テーマは「わが祖国」 下、テーマは「脳裏に孤独がよぎる」 右側の文章はマヒル・ウンサル・エリシュというトルコの作家、翻訳家のもの。 14ページ(左) 「35歳は(人生という)道の真ん中」 35才で音楽家(写真左)、サッカー選手(写真右)、俳優(写真下)になった人々の経験を綴ったページ。 15ページ(右) 見出し「50歳からアイシェ(トルコ人女性名)に手紙を」 16ページ(左) 見出し「私の精神状態は、あなた次第です」 17ページ イスタンブール、ビエンナーレの広告 18,19ページ 「秋」 「戦争はこの国の人々にとっていつの時代にも遠いものにはならなかったが、爆撃の音が聞こえなかったせいだろうか、彼らは知らないふりをするのがとても上手だった」 20ページ(左) 見出し「詩人はパンを食べるのに、パン職人は詩を読まない」 21ページ(右)一コマ漫画「ディップノート(声に出せない本音)」 1段目左 女「鶏肉好きでしょ?」(一番料理が簡単だし肉だし…最初の食事でリスク取りたくなかったの) 3段目左 女「あぁー!」「なんか熱くないこの部屋?」(あっち行ってよ、狭いじゃない!) 右 男「ハニー、ママたちも近くにいるんだって。寄っていかないか?」…
エディルネ EDIRNE
エディルネ 2008年 サンクチュアリ・パブリッシング 石井孝典(著) <内容> トルコ西端の街、エディルネでは約650 年前から、「ヤール・ ギュレチ(トルコ・オイルレスリング)」の全国大会が開かれている。全身にオリーブオイルを浴び、力尽きるまで闘った男たちが手に入れるのは、「誇り」という名の勲章だ。写真家・石井孝典は、競技場で 戦い終えた男たちに迫り、彼らの放つ「熱」をフィルムに収めた。4年間かけ撮影してきた1000人以上の肖像写真から厳選した作品で構成する『EDIRNE』は、今、最も熱い写真集である。 ご購入はアマゾンより 関連記事 ・写真集 東アナトリアの歴史建築 ・写真集 カッパドキア 刻まれた時間
『ことだま・イスタンブル』 日本・トルコ 共同著作
『ことだま・イスタンブル』 日本・トルコ 共同著作 2015年 アルケオロジー・ヴェ・サナト出版 日本からトルコを、トルコから日本を見つめ、2か国、2言語で出版された文芸作品。 2015年に出版された『はじまり』は、日本とトルコ、また両国につながりを持つ芸術家、作家、学者、研究者による共著。各執筆者がそれぞれの立場から見た日本・トルコ両国のつながりや、文化・文芸、歴史などについて綴る。これまで注目されることのなかった二国の文芸的側面に光を当てた珠玉の一冊。 Love Turkey ストアからのご購入はこちら↓ 『ことだま・イスタンブル』 詳しくはこちら
関口義人(せきぐち・よしと)
関口義人(せきぐち・よしと) 音楽評論家 商社勤務で東欧各地に駐在。退社し帰国後、音楽評論および1998年からジプシーの取材・執筆活動を展開。桜美林大学講師。主な著書に『オリエンタル・ジプシー』(青土社)、『ジプシーを訪ねて』(岩波書店)、『ヒップホップ! 黒い断層と21世紀』(青弓社)、『ベリーダンス 伝統と革新のあいだで』(彩流社)ほか 筆者関口義人さんの全ての本をみたい!
ペングエン トルコの風刺かわら版
ペングエン トルコの風刺かわら版 トルコ語で「ペンギン」を意味するこのかわら版は、2002年に創刊され、トルコと北キプロス共和国で出版されている。エンブレムは空を飛ぼうとするペンギンである。 週刊紙 値段トルコでは4リラ(約160円)、北キプロスでは5リラ(約200円)2015年10月現在 紹介するのは2015年9月24日版 表紙 羊「僕は逃げるよ、良いお祭りを」 ヒジュラ暦12月10日から4日間、イスラム教には動物(羊など)を生贄としてささげるクルバン祭という一大行事がある。国民の休日でもあるこの日に、当の羊が休暇で旅行に出かけてしまい、残された人間たち(お父さんの手にナイフが握られているのは生贄のため)があっけにとられている。 3ページ 2015年のクルバン祭は9月にあったが、偶然これが選挙と重なり、国内で政党間の緊張が高まった時期でもあった。 中央の、牛と羊の絵が描かれている一コマ漫画では、クルバン祭で生贄にされないよう逃げている牛や羊をそっちのけで夜の街を走り回る男たちが描かれ、牛が羊に対して「僕たちが目当てじゃないから安心しな!」と言っている。 羊ではなく、政敵を追いかけ回しているのだ。 4ページ 中段に描かれている緑色のカエルのような生き物、それがトルコの「宇宙人」のイメージである。なぜか太っていて、目が上に突き出している。そして話すことといえばもちろん、サッカーについて。 宇宙人「この惑星のことはすべて理解した。けれどオフサイドがわからない」 男「ああ!(なんてこった)」 関連記事 ・ハジャマット トルコの宗教的風刺かわら版 ・ウイクスズ トルコの風刺かわら版